訪問看護は利用者様の生活を医療面からサポートします。退院後も安心してご自宅で療養生活を送れるよう、経験豊富な看護師が地域の医療機関と連携し支援します。
対象は小児から高齢者と幅広く難病の方、末期がんの方など、ご自宅でご家族と共に終末期を過ごされる方においても安心していただける看護をお届けします。
訪問看護ステーションでは、看護師が積極的に褥瘡に関する研修に参加し、それぞれが学んだ知識を活かし共有して利用者様に適した褥瘡ケアをおこなっています。
身体の同じ部分に長期間の圧迫がかかり、皮膚組織の循環障害が起こり皮膚や組織が壊死することです。
同じ姿勢で長く寝ていたり、座っていることによりできますが、特に寝たきりの人や、神経麻痺などの障害をもつ人が、自分で身体を動かすことができず、長い時間同じ姿勢で寝ていることによりできることがほとんどのため、床ずれといわれています。
褥瘡は骨のでているところ(骨突出部位)におこりやすくなります。
寝姿勢により異なりますが、仰向けで寝ている場合では、仙骨部に体重の約44%もの圧力がかかるといわれています。
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- 症状を確認。創の部位、大きさ、におい、色調によって進行レベルを分類する。
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- 今後、創が発生しそうな部位や利用者様の状態・環境による可能性を評価し、症状の改善をはかる。
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- 創周囲の皮膚を泡で洗い清潔に保ち、創内・創面を適切な方法で洗浄し感染を予防する。
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- ご家族への栄養指導や、体位変化などを行う。圧の支持範囲の大きいポジショニングについて指導する。
褥瘡ケアにかぎらず、ご家族による介助ケアについて、利用者様に合った方法を訪問看護師が丁寧に指導いたします。
医師の指示により、処方された薬や、処置方法に従いながら処置を行っています。スタッフ全員が同じ処置、指導ができるようにカンファレンス(情報交換と話し合いにより方針を共有する場)を行いながら、早期回復に向けて取り組んでいます。
また、リハビリスタッフにも対処方法を伝え、一日でも早く改善されるよう、連絡を密にしながら取り組んでいます。
知りたいことやわからないことがありましたら、遠慮なく訪問看護師にご相談ください。
リビングウィルという考え方を皆様ご存じでしょうか?その概念は大変奥深いものですが、一言で言うならば、「“尊厳ある死”も重要だけど、それ以前の“生”の充実こそ、より尊重すべきではないか」という概念です。もっとはっきり言うならば「病院でたくさんの管に繋がれながら、最期の時をただ待っている状態が“意義ある生”といえるか?」ということです。たとえ終末期や、重度の寝たきりの状態であったとしても、その方らしい“尊厳ある生”を追求することが、私たち訪問看護師の役割である、と考えています。
利用者様の家族背景やご本人の身体状況を把握しながら、ご家族の気持ちに添う。病状の悪化や予測しなかった症状の発現にご家族は戸惑い、長期化すると“先の見えぬ介護負担”から家族関係が良からぬ方向へ向かうこともあります。そんなご家族の想いを受け止め、支援や調整を行い「家で看てよかった」と思ってもらえることが私たちの目標でもあります。その為にも訪問看護師として利用者様のターミナル期を支えるにあたって、私たち自身の生き方や死生観を明確にしていくことが大切だと考えています。